2006 05/31 更新分

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「公害・環境資料館」オープン

◆四日市で「廃棄物問題への政策提言」シンポ開かれる◆

“石原産業の産廃不法投棄はきわめて悪質”…市民グループが現状報告

日本環境会議(JEC)は2006年3月2日、四日市市の環境再生の[政策提言]を行いましたが、その趣旨を広く市民に知ってもらうことと、周辺地域で廃棄物問題に取り組んでいる人たちの報告を聞き、廃棄物問題についての議論を深めることを目的にした「四日市の廃棄物問題への政策提言」シンポジウムが3月19日午後1時半から、四日市市総合会館で開かれました。
写真:約40人の市民たちが各報告に熱心に耳を傾けた

JECは、2年前に四日市環境再生まちづくりプラン検討委員会(代表:宮本憲一JEC代表理事)を立ち上げ、昨年10月、四日市の廃棄物問題を検討するため委員会のなかに廃棄物問題ワーキンググループ(座長:畑明郎大阪市立大学大学院教授)をつくり、シンポジウムを開催するとともに、政策提言のまとめの作業を進めてきました。この結果、3月2日に県知事や市長に別項のような[政策提言]を行いました。

この日のシンポジウムには市民ら約40人が参加しました。三重テレビ制作の『失墜・環境先進県−フェロシルト問題を探る』のビデオが上映された後、「石原産業のアイアンクレイに対する調査など(伊藤三男・四日市再生「公害再市民塾」)、「フェロシルト―偽りのリサイクル商品― 岐阜からの報告」(兼松秀代・放射能のゴミはいらない! 市民ネット・岐阜代表)、「岐阜市椿洞産廃不法投棄事件」(松井英介・岐阜環境医学研究所長)、「四日市ガス化溶融炉問題」(米屋倍夫・元化学会社技術担当役員)の報告が行われ、まとめとして畑明郎JEC理事(大阪市立大学大学院教授)が「四日市の廃棄物問題への政策提言」について報告しました。

伊藤三男さん 兼松秀代さん 松井英介さん 米屋倍夫さん

途中、来日中のアメリカの著名な放射線物理学者のE.J.スターングラス博士と地質学者のR.モレ博士が飛び入りで参加し、アメリカにおける核実験による死の灰の影響や原発周辺でのガンの発生率の高さなどについて短いコメントを発表しました。
写真:スターングラス博士

 




◆畑JEC理事◆

“環境県・三重”の大失態目に余る。四日市市も企業も同罪だ

畑明郎JEC理事の報告「四日市市の廃棄物問題への政策提言」の概要は次の通りです。

まず、総括的に四日市市の廃棄物問題としてどういうことがあるかということを申し上げますと―

  ・日本最大の大矢知産廃不法投棄問題

  ・石原産業のフェロシルト投棄問題

  ・三重県の四日市ガス化溶融炉建設問題

  ・その他産廃処分場不法投棄問題など

―があげられます。

写真:行政、企業の責任を鋭く指摘する畑さん

 

これらの問題をブレークダウンしますと、まずガス化溶融炉建設問題では必要理由であったダイオキシン対策にも寄与していないのに、80億円という県財政を投入していることがまずあげられます。

次に、大矢知産廃不法投棄問題では許可済みの部分とそうでない部分があるとされていますが、実は許可済み部分にも何が埋められているか分からないというかなり“危ない状況”であるといわざるをえません。表層部分は草木に覆われていて、一見廃棄物には見えないのですが、下のほうにプラスチック類がはみ出していたり、近づくとぞっとするような状況に遭遇します。

ざっと見ても、鉛とかヒ素とかが含まれていることが考えられ、それらがまた地下水につながっていることも容易に想定できます。

模式横断図:許可済部分(1)の中にも有害物質が埋められている

処分場周辺の地下水や表層水質から環境基準に近いふっ素が検出されており、処分場の影響と考えられます。
大矢知問題についての提言を要約すると、以下の5項目になります。

1.   処分場周辺の徹底した環境汚染調査と、当該データの情報公開。

2.   投棄廃棄物の徹底した調査に基づく違法・不法投棄分の全量撤去。

3.   行為者の川越建材と排出事業者への厳格な責任追及。

4.   過去の三重県の対応検証と今後の改善策。

5.   1〜4の過程で四日市市・周辺住民への説明責任を果たすとともに、十分な協議を行う。

次に、石原産業のフェロシルト問題に話しを移しますが、この問題、アイアンクレイとフェロシルトという二つのカタカナ名が出てきますが、実はこの二つは元はチタン鉱石で、フェロシルトは石原産業が「土壌埋め戻し材として有用化している」と偽っていたのに過ぎず、片やアイアンクレイは「廃液処理後の産業廃棄物」で、結局は同根の有害物質であるわけです。

こういうシロモノを三重県はリサイクル品として認定のお墨付きを与えていたわけで、なにをかいわんやです。三重県は北川前知事時代“環境先進県”を標榜していたが、この一連の事態は大失態といわざるを得ません。

ところで、石原産業という会社の歴史を調べると、1967年に四日市公害訴訟の被告の一人であったり、1969年に四日市港へ廃硫酸を垂れ流し、海上保安部から摘発されたりしたことはよく知られていますが、戦前も1916年に前身の会社が大阪アルカリ事件で大審院敗訴(1916年)したりしており、環境破壊とは密接な関係にあることが分かり、そういう企業体質には伝統的なものがあるのかも知れません。

現実に話しを戻しますと、フェロシルトの撤去費用は200億円を越えると見られています。しかし、いくらかかろうとも同社の責任は明確なわけで、文字通り企業責任として計画通り全量撤去することを強く望むところです。

写真:処分場に投棄される回収フェロシルト

フェロシルト投棄問題についての提言をまとめると、次の4項目になります。すなわち―

1.   石原産業は、投棄されたフェロシルトの全量撤去rと自社処理を行うこと。

2.   石原産業が、フェロシルト=アイアンクレイを大量に発生させる硫酸法酸化チタン製造法を廃棄物の少ない塩素法に切り換えること。

3.   三重県は、有害廃棄物の除外、厳しい審査、罰則強化などを含めたリサイクル条例を見直すこと。

4.   回収フェロシルトの三重県三田処分場への投棄は、海洋汚染のおそれがあり、見直すこと。

注=その後、石原産業の田村藤夫社長は06年5月20日、大阪における記者会見で、8月末メドにしていた撤去は「処分場のメドがつかず、完了時期を明言できない」と言明。また撤去量についても、これまで90万トン超とされていたが、混ざった土を含め総計107万トンに及ぶことと、自らの辞任時期を遅らせることを明らかにした

そして、最後に、今日取り上げた問題では、いずれも三重県、四日市市の責任は重大です。両者への提言を示して終わります。

1.   三重県は、大矢知産廃処分場不法投棄問題への不作為、フェロシルトのリサイクル品への認定、ガス化溶融炉の失敗、産廃やフェロシルトの不法投棄などの責任を取ること。

2.   四日市市は、廃棄物問題の調査を実施し、調査結果などを市民に情報公開すること。

3.   三重県と四日市市は、行政が設置する学識者の委員会で検討するだけでなく、環境NGOの学識者や住民と協議する場を設けること。


写真:最後は講師全員が会場からの質問を受けた
        =いずれも06年3月19日、四日市市総合会館で


◆ 四日市の廃棄物問題への政策提言◆
四日市環境再生まちづくりプラン検討委員会が提出した[政策提言]の全文は以下の通りです。
2006年3月2日
三重県知事       野呂昭彦 様 
三重県議会議長    田中 覚 様
四日市市長       井上哲夫 様
四日市市議会議長   伊藤正数 様


        四日市環境再生まちづくりプラン検討委員会
              代表 宮本憲一(大阪市立大学名誉教授)
      同副代表 遠藤宏一(南山大学教授)
              同事務局長 寺西俊一(一橋大学教授)
              同廃棄物問題ワーキンググループ
              座長 畑 明郎(大阪市立大学大学院教授
                     経営学研究科[環境政策論])


       四日市の廃棄物問題への政策提言
                                
 四日市市では,日本最大規模の産業廃棄物不法投棄が明らかとなった大矢知産廃処分場問題,石原産業が同四日市工場で製造した放射性物質や重金属を含む「フェロシルト」を三重・岐阜・愛知の東海三県と京都府に埋め立てた問題,三重県環境保全事業団が広域市町村のごみ焼却灰を処理するガス化溶融炉建設の差止裁判と累積赤字問題(約40億円)などに見られるように,廃棄物をめぐる問題が最近

頻発しています。
  私たち四日市環境再生まちづくりプラン検討委員会は,「環境再生」をキーワードに,将来の四日市のまちづくり案を策定しようと取組んでおり,2005年10月16日(日)午前に大矢知不法産廃処分場を視察し,午後に第5回まちづくり市民講座・政策調査研究会として「四日市市の廃棄物問題を考える」シンポジウムを開催しました。
  シンポジウムには,約100人の市民が参加し,@「産業廃棄物処分場の問題点と課題」,A「三重県の一般廃棄物処理の問題点と課題」,B「産業廃棄物法制の問題点と課題」などを研究者と真剣に議論しました。
  そして,四日市の廃棄物問題を検討するため同検討委員会のなかに廃棄物問題ワーキンググループをつくり,問題を分析したうえで詳細な検討を行い,別紙のとおり,「政策提言」を取りまとめました。ここに,三重県及び四日市市に提出させていただきますので,この趣旨をご理解のうえ,緊急に必要な施策を執っていただくよう,よろしくお願い申し上げます。

1.大矢知産廃不法投棄問題
 大矢知産廃処分場は,川越建材興業(四日市市羽津)が,1981年に安定型産廃処分場(廃プラスチック類,ガラスおよび陶磁器くず,金属くず,がれき類など)の三重県の設置許可(面積10,000u,容量40,000立方b)を得た。1990年に構造規模変更(面積58,854u,容量1,320,000立方b)を届出したが,1994年に処分場外への廃棄物投棄により,面積78,225u,容量約1,706,833立方bと,許可容量を約38万立方b超えていたことが判明した。県は同年3月と8月に改善命令(流出した廃棄物の撤去など)を出したが,履行されなかった。そこで,県は同年10月の許可期限(5年毎の更新制)終了で更新を認めず,11月に埋立処分は終了した。
 その後,1981年の県の許可当時から,産廃処分場の一部が農地法違反(900uの畑転用違反)の状態だったのと,1990年の処分場拡張時に農地法違反面積が9,000uになっていたことも判明した。また,県は10年以上前から許可外の産廃が大量に不法投棄されていたことを把握していたが,有効な対策を打たなかった責任が問われる。
 2001年4月県実施の水質検査で廃棄物層内の井戸からベンゼン,ヒ素が環境基準を3〜4倍超えて検出された。度重なる住民の訴えに応えた2004年6月〜2005年6月の県調査により,違法面積58,471u,違法容量1,594,000立方bと判明し,青森・岩手県境不法投棄事件(約87万立方b)や福井県敦賀市産廃処分
場(119万立方b)を上回る日本最大の不法投棄事件となった。
 2005年5月以降,廃棄物・土壌の溶出試験,地下水の水質・発生ガス・地下水温調査を県が実施した。その結果,廃棄物では主に建設廃材,鉱滓(鋳物砂),廃プラスチック類などを確認し,溶出試験では,埋立区域内で鉛,ヒ素,ふっ素,ほう素およびダイオキシン類を検出し,環境基準の2〜7倍の鉛,2〜4倍のヒ素,1〜6倍のふっ素,1〜3倍のほう素を検出した。周辺地域でも,ヒ素,ほう素,ふっ素およびダイオキシン類が検出された。地下水の水質調査では,廃棄物埋立区域で,鉛,ほう素,ふっ素,ヒ
素,トリクロロエチレン,ジクロロメタン,シス-1,2-ジクロロエチレン,ベンゼンおよびダイオキシン類の9項目が環境基準を超過した。周辺地域でも,ほう素,ジクロロメタンおよびダイオキシン類の3項目が環境基準を超過した。
  発生ガス調査では,硫化水素とアンモニアは10ppm未満だったが,メタンが0.6〜62%も検出され,メタン発酵が進んでおり,有機性廃棄物の投棄と火災の危険がある。地下水温も廃棄物層で20〜51℃と温泉並みであった。
  県が設置した「安全性確認調査専門会議(議長:花嶋正孝・福岡大学名誉教授)」は,これらの調査結果については,「直ちに人体への影響など重大な生活環境保全上の支障はない,緊急に対策を講じる必要性はないと思われる」とした。
  しかし,四日市市による2005年8月の水質調査では,約3km離れた大矢知水道水源でふっ素が0.4ppm,処分場北側の農業用ため池の中溜でふっ素が0.39ppm,処分場西側の平津水路で0.61ppmと,水質環境基準0.8ppmに近い値であることから,処分場の影響をうかがわせ,地下水も含めた周辺の
詳細かつ継続的な水質調査が必要である。
   廃棄物調査では,建設廃材,鉱滓(鋳物砂),自動車解体くずなどの違法投棄が確認されている。自動車解体くずは,2005年7月の県の改善命令(撤去)により,12月までに撤去されたが,その他の違法投棄された廃棄物は,調査も不十分であり,撤去されていない。また,許可容量を超えて不法投棄された廃棄物の撤去の見通しは立っておらず,違法投棄分とあわせて全面撤去する必要がある。

2.石原産業のフェロシルト投棄問題
フェロシルトとは,化学メーカーの石原産業(本社・大阪市)が製造・販売し,三重県が「三重県リサイクル製品利用推進条例」に基づきリサイクル製品に認定した土壌埋め戻し材で,酸化チタンの製造工程で排出される廃硫酸が原料である。廃硫酸を石灰で中和・ろ過処理した沈殿物のアイアンクレイをフェロシルトと言い換えたものである。約72万トンのフェロシルトが三重・岐阜・愛知の東海3県と京都府の約30箇所に埋設された。
   フェロシルトの製造は,中部国際空港の埋め立て材利用を見込んで1998年1月から石原産業四日市工場で始まり,2001年8月から販売を始め,2003年9月には三重県からリサイクル製品として認定された。2004年12月に愛知県瀬戸市の埋設地から赤い水が川に流出し,2005年2月に岐阜県可児市の
埋設地で環境基準を超えるふっ素が検出され,6月に岐阜県内で行われた土壌調査で環境基準を超える六価クロムが相次いで検出され,石原産業はリサイクル製品の取り下げと自主回収を表明した。
10月には,石原産業がフェロシルトに工場廃液を不正に混入していたことを公表し,三重・岐阜・愛知3県が石原産業本社・四日市工場へ立ち入り調査し,11月には,三重県警が廃棄物処理法違反容疑(委託基準違反)で本社と四日市工場や三重県庁と三重県環境保全事業団などを強制捜査した。
  石原産業は,1967年提訴の四日市公害訴訟の被告企業であり,1968年に酸化チタン製造工程で出る廃硫酸を1億トン余垂れ流し,1969年に港則法違反などで告発され,公害事件で企業が初めて刑事責任を問われ,元工場長らが有罪となった。さらに,石原産業の前身企業の大阪アルカリは,硫酸製造と銅製錬工程から出る硫黄酸化物などの大気汚染による農作物被害を起こし,1916年に裁判で負けており,公害事件では前科3犯の悪質企業であり,今回の事件からみても企業体質が変わっていないといえる。
  このように石原産業と硫酸は不可分の関係にある。酸化チタン製造法には硫酸法と塩素法があり,石原産業が採用する硫酸法は大量の廃硫酸を発生させるが,海外メーカーが採用する塩素法は廃棄物が少ないので,製造法を塩素法に切り替える必要がある。
  一方,フェロシルトをリサイクル製品として認定し,1970年代の東京都六価クロム鉱滓事件(約57万トン)を超えて,各地に土壌汚染を拡大させた三重県の責任も問われる。有害な特別管理廃棄物を原料とするリサイクル製品を認めない規定を有する条例が多い中で,三重県のリサイクル製品利用推進条例は,「廃棄物は全部リサイクルの対象」とした。また,リサイクル製品の認定審査も企業の提出する書類を鵜呑みにするだけであった。
  北川正恭前知事時代の三重県は,全国初の産廃税導入,三重ごみ固形燃料(RDF)発電所などを推進し「環境先進県」と持ち上げられたが,知事引退後のRDF発電所爆発事故,大矢知不法投棄問題,フェロシルト問題などで「うまくいくはずのないものを行政のメンツで無理押し」などと,野呂昭彦現知事は批判する。マニフェスト提唱学者として「マスコミの寵児」である北川前知事は,まず自らの県政の失敗の責任をとるべきであろう。
  石原産業は,約200億円かけて各地に埋設したフェロシルトと周辺の汚染土壌の約90万トンを回収するが,受け入れ先を確保できているのは,四日市工場の仮置き場(最大容量約40万トン)と,四日市工場近傍に三重県環境保全事業団が管理する三田処分場(受け入れ容量約21万トン)のみであり,他に
民間処分場を探しているが,一件も契約に至っていない。受け入れ処分場不足と撤去をめぐる住民との調整不調のため,撤去作業に遅れが出ている。


◆ 政策提言◆


  【 政 策 提 言 】
 
  1.三重県は,日本最大規模の産廃不法投棄事件となった川越建材の大矢知産廃

処分場問題について,次のことを実施されたい。
        @ 処分場周辺の徹底した環境汚染調査と当該データの情報公開
        A 投棄廃棄物の調査結果に基づく,違法・不法投棄分の全量撤去命令も含めた
          適正な抜本的対策の検討
        B 行為者である川越建材,排出事業者に対する厳格な対応
        C これまでの県の対応の検証と,違反等に積極的に対応する産廃条例制定も
          含めた今後の不法投棄対策の改善
        D @〜Cの過程において,四日市市,周辺住民等に対する説明責任を果たすとともに,
          十分な協議を行うこと

         2.フェロシルト投棄問題では,排出者の石原産業が認定外廃液を混入していたこ

とが確認されており,三重・岐阜両県・京都府は石原産業に対して廃棄物処理

法違反(不適正処理など)で刑事告発したが,投棄されたフェロシルトの全量撤

去と自社処理を石原産業に求め,強力に指導されたい。

また,フェロシルト(=アイアンクレイ)を大量に発生させる硫酸法の酸化チタン

製造工程を,廃棄物の少ない塩素法などに切り替えるよう指導するとともに,

今後発生する産業廃棄物の適切な処理についても,事前に指導されたい。

    なお,三重県リサイクル認定制度は,今回のような事案を防止し,適正な循

環型社会の実現に資する制度となるよう,有害廃棄物の除外,厳 しいチェック

体制,罰則の強化などを含めた抜本的見直しをされたい。

 

3.四日市市は,大矢知産廃処分場,その他の産廃処分場,市内のフェロシルト埋

め立て地,およびガス化溶融炉周辺の住民に対し,それぞれの問題に関して

市が有する情報をすべて明らかにし,市民の意見を聴きな責任ある対応策を

執られたい。

           また,三重県と協力し,市内全域の廃棄物処分場について,四日市市内山町

の産廃処分場の不法投棄問題(約24万?)などのような違法行為等がないかど

うかを緊急に調査されたい。

       4.四日市市は2007年4月1日の中核市指定を目指しているが,産廃行政は中核

市指定により三重県から権限と責任が移譲されることとなる。

           全国でも最悪の規模で現に起こっている大矢知産廃処分場問題や石原産業の

フェロシルト投棄問題などは,今後の四日市市政にとって極めて大きな負担と

なることが予想されることから,その処理方策も含めた産廃行政の基本方針

を市民や市議会に示し,中核市移行の是非を議論し結論を出すべきである。

       5.三重県と四日市市は,四日市の廃棄物問題について行政が設置する学識者の委

員会だけで検討するのではなく,私たち環境NGOの学識者とも協議する場を

設けていただきたい。
                                                    以 上

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