大気汚染やカネミ油症などの公害や薬害、あるいは現場労働等の職業に従事する中で発病した疾病の結果、死亡したり、深刻な健康被害が引き起こされて日常生活に支障を来し、多大な医療費負担と仕事への悪影響と生活障害の三重苦で数多くの被害者は苦しんできました。ところが、そうした被害の総合的な補償・救済制度はわが国には存在しません。被害者運動の結果、各個の事例ごとに個別の補償・救済制度がつくられた経緯があり、それらは補償内容や補償水準、制度設計などにかなりの違いがあり、相互に比較可能な共通の整理はなされてきませんでした。
公害薬害職業病補償研究会では2007年の発足以来、戦後日本の公害・薬害・職 業病などにおいて、それぞれ別建てで構築された補償救済制度・協定などについ
て、改善をめざすためあらゆる観点から横断的比較研究を行ってきました。
第3回に登場するイタイイタイ病、新潟水俣病、スモンは、いずれも戦後の公害・薬害を象徴する大事件です。3事件における制度比較から見える教訓と課題
を考えます。
政策担当者や研究者はもちろん、公害や薬害の健康被害に関心をもつ多くの市民の皆様のご参加をお待ちしています。
日本環境会議は、公害薬害職業病補償研究会の活動に有志で協力しています。 |