シドニー宣言 2007

2007年11月22日~25日、オーストラリアのシドニーで開催された「第8回アジア・太平洋NGO環境会議」(APNEC-8)に参加した6カ国からの参加者一同は、今日の環境問題に関する幾つかの課題、とりわけ持続可能な社会と気候変動をめぐる課題に焦点を当てた議論を行い、以下の諸点を確認した。

1.われわれは、持続可能な社会に向けて、地域レベルでの環境ガバナンスの確立と「アジア・太平洋環境会議」(AEC)のメンバー間でのネットワークの強化が重要であることを認識した。このためには、われわれは、すべての国々の経験、とくに日本および韓国の経験に学び、また、AECの次の段階をめざす新しいビジョンを発展させていかなければならない。

2.われわれは、1992年の気候変動枠組み条約およびそれに続く2012年までの京都議定書の実行をめぐる動向に関心を寄せ、世界各国による温室効果ガス削減への行動がきわめて不十分であること、その結果、事態はますます危険なレベルに向かいつつあることに注意を促すものである。もし、この温室効果ガスの抜本的な削減への緊急かつ真剣な努力がなされなければ、世界の気候変動は、取り返しのつかない結果をもたらすだろう。いまや論争と未決断の状況を続けている時期は過ぎ去り、緊急な行動がとられなければならない。

われわれは、以上を踏まえて、以下のとおり宣言する。

(1)すべての国々、とりわけアジア・太平洋地域の国々は、地球規模の気候変動をめぐる問題をもっとも緊急な課題として取り扱うべきである。

(2)すべての国々は、気候変動問題への根本的な対応のために、狭い国家利害を捨てて、気候変動枠組み条約の実施に関するポスト京都議定書の新たな合意に向けた努力を支持しなければならない。

(3)アジア・太平洋NGO環境会議(APNEC)は、各国がポスト京都議定書の新たな合意とその実行に必要なあらゆる行動をとるように求める、それぞれの国々におけるすべての市民やNGOの取り組みを強く支持するものである。

2007年11月24日
第8回アジア・太平洋NGO環境会議(於・シドニー)

 
JEC 日本環境会議