第8回東日本多重災害復興再生政策検討委員会全体会合
 2012年6月23日(土)15:00-17:00 航空会館(財団法人日本航空協会)504会議室にて
 第8回の全体会合では、まず、池田こみち氏(環境総合研究所顧問)が、震災がれき(災害廃棄物)の広域処理の実情と問題点について講演しました。その後、池田氏とフロアとの間で質疑応答・意見交換が行われました。
(文責・写真:藤谷岳)
講演:池田こみち氏(環境総合研究所顧問)
「震災がれき(災害廃棄物)の広域処理の実情と問題点」
 池田氏は、災害廃棄物(震災・津波がれき)広域処理の問題点について、「必要性」「妥当性」「正当性」の3つの観点から報告しました。「必要性」の観点からは、国とマスコミによる情報操作と世論誘導の影響が極めて大きいことを、「妥当性」の観点からは、放射性物質の汚染およびその他有害化学物質による汚染に関する対応が不十分であることを、「正当性」の観点からは、政策決定手続きに多くの問題があることを指摘しました。そして、いずれの観点からも問題点が多い震災がれきの広域処理は、汚染の全国化、地方自治や民主主義の破壊、既得権益の強化と利権化、被災地と全国の亀裂などの本質的な課題を浮き彫りにしていると主張しました。
3つの観点から広域処理の問題点を指摘する池田氏
 
質疑応答と総合討論
 池田氏の講演を受け、参加者からは、震災がれき処理にかかわる費用負担や分別・処理の方法などについての質問が寄せられました。また、国が震災がれき処理の全般的な責任と費用をもつという方針をとったことによって、処理の過程に地元自治体の意向を反映することが困難になっているのではないか、という指摘がありました。そして、池田氏が指摘しているような多くの問題点が浮き彫りになっているのにもかかわらず、広域処理が国とマスコミの力で進められていることを問題視し、報道や利権構造が政策や世論形成に大きな影響を与えている状況を懸念する意見が多く出されました。
 

 
JEC 日本環境会議