日本環境会議 >>> APNEC >>> 第6回アジア・太平洋NGO環境会議の開幕にあたって(台湾総統 陳水扁)
第6回アジア・太平洋NGO環境会議の開幕にあたって
台湾総統 陳 水扁
まず最初に、本日ここに16ヶ国からお集まりになった百余りの専門家、学者及びNGO代表の皆様に心から歓迎の意を表します。
生態環境は人類の持続的な発展にとって最も重要な基礎です。人類の生存のためには自然資源に頼らねばなりません。生態環境の破壊の結果、生物の絶滅をもたらすのみではなく、将来世代の福祉にも影響が及び、国家社会の持続的発展を維持することが困難になるでしょう。今年8月に南アフリカ・ヨハネスブルグで行われた「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(地球サミット)において、各国は地球生態環境を悪化させ続けてきたことを痛感し、再び「持続可能な開発」に向けて承諾を銘記しました。
その会議では、アジア地域の環境問題、例えば水資源、気候変化、グリーン・エネルギー、都市開発、海洋保護及び生物多様性などの問題に高い関心が寄せられました。アジア諸国もこれらの問題を正視し、共に対策に取り組んでいかなければなりません。
環境問題を根本的に解決するためには、政府責任のみでなく、NGO及び国民全体との連携が要求されます。言い換えれば、国民全体の環境教育を強化し、有力なNGOを育成し、良好な「公私部門のパートナーシップ」を築き上げてこそ、地球環境問題を有効に改善することができるのです。そうすることができれば、「持続的な発展」は机上の空論のままで終わってしまうことはないでしょう。
「第6回アジア・太平洋NGO環境会議」は、列席された方々がお互いの経験を分かち合い、環境保護に対する情熱と共同認識を高めるのに最高の機会を提供しています。同時に、将来のアジア地域の環境保護の方針として、「高雄宣言」が発表されます。私はここで、アジア環境会議(AEC)、日本環境会議(JEC)、日本ラムサールセンターなどの国際組織の積極的な協力、及び、海洋台湾文教基金会、湿地保護連盟などの国内環境NGOのご苦労に対して、深い尊敬と感謝の意を表します。
台湾は「地球村」と国際社会の一員として、国際的にも環境保護の責任を果たさなければなりません。この責任を忘れることがないよう胸に留め、積極的に国際社会と繋がっていくように努力しています。今後、政府の環境政策の他にも、NGOの国際環境保護への参加を励まし、国際的な関係団体と手を繋ぎ、「持続的な発展」という理想の実現を促進していこうと考えています。
最後に、台湾の政府及び国民全体を代表し、皆様のご出席に心から感謝申し上げます。この会議の成功と、皆様のご健康、ご幸福をお祈りします。
中華民國91年11月2日
(訳:廖 卿恵・一橋大学大学院)