第3回東日本多重災害復興再生政策検討委員会全体会合

2011年7月16日(土)13:30-17:00
航空会館(財団法人日本航空協会)B101会議室にて

 前半は、石川幹子氏(東京大学教授)が、四川大地震の際に「ペアリング支援」を提案した経験談を交えながら、東日本大震災被災地(特に宮城県内)における復興プランの現状と課題について講演しました。その後、講演を踏まえたディスカッションが行われました。後半は、本委員会の中心メンバーが、今後のワーキンググループにおける調査・研究のプランや方向性等について討論しました。

(文責・写真:藤谷岳)

講演:石川幹子氏(東京大学工学研究科教授)
「東日本大震災復興計画の現在--宮城県及び仙南市町の実情を通して」

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四川大地震時の経験を踏まえつつ、東日本大震災の復興プロセスの現状と今後の方向性について語る石川氏

 石川氏は、現在の宮城県の復興計画が、図面のない、基本理念のみの、具体性に欠けたものであることを指摘しました。
 被災地の各々の地域が歩んできた歴史、営んできた暮らしを大切にしながら、個別に適切な復興プランを作るべきであるとし、その際の具体的な復興プランの 立て方として、四川大地震の時の「ペアリング支援」と、それを今回いち早く導入した岩沼市の復興プランを紹介しました。
 特に、復興の具体的な方針がいつまでも見えてこない状態が住民を不安にさせるため、当面は3年間を目安とした具体的なプランを提示することが必要である としました。そのなかで、まずは早急に避難所から仮設住宅への移行を進めて生活の安定化を図り、その上で、雇用の確保とまちづくりを考えていかなければな らない、ということを強調しました。

 

全体討論&中心メンバーによる打ち合わせ

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 その後、石川氏の講演を踏まえた質疑応答とディスカッションが行われました。
 四川大地震時および岩沼市でのペアリング支援導入の経緯や問題点、これを日本で進めていくための独自の課題、現在検討されている「特区」構想との関係な どについて、石川氏と参加者との間で多くの意見が交わされました。特に、誰がリーダーシップをとって責任ある復興支援を継続させていくのかが重要な課題で あることが確認されました。

 休憩後は、本委員会の中心メンバーによる打ち合わせに移りました。ワーキンググループの設置とその調査研究プランについての提案および討論が行われました。